アフリカマイマイ(2005.10.31 那覇

 朝起きて、恐る恐るカーテンを開ける。うーむ、風はおさまってきたものの、まだ小雨が降っている。もし天気が回復していたら、もう一度本島南部を回りたいと考えていたが、とりあえず、その希望は消えた。せめて末吉公園で、1時間でも2時間でも楽しめたらと思いながら、朝食を摂る。今日の午後3時の便で私は沖縄を発たねばならない。従って、空港では例の楽しみもあるので、1時30分までには空港にたどり着きたい。しかし、小雨は降り続く。
 朝食が済み、荷造りも終え、空と睨めっこ。いくらか雨足が衰えたところで、チェックアウトしたのが9時過ぎ。末吉公園に向かう途中の地元民放ラジオで、北海道の峠がシャーベット状態であることを告げていた。更にそのDJが言うには“この気温の低さは、沖縄も初雪が降ったようなものです…”だとさ。末吉公園には9時半に到着した。
 公園内でまず驚いたのが、これ…アフリカマイマイ。昨年この公園で撮影した時にご紹介した(Field note
2004.10.12参照)危険な生物が至る所にはびこっていた。カリフォリニアでこいつが発見されたときには、大きな問題になり大駆除作戦が展開されたと聞いているのだが、沖縄では問題視されていないのだろうか?

 

ランタナ(2005.10.31 那覇

 ってなことはさておき、やはり気温は上がらないままだ。広い公園内をあちこちと歩き回るが、時折見るのはセセリ類とリュウキュウミスジくらいなもの。セセリと云えば白い紋のある黒いセセリが飛ぶのを見たが、目の前を高速で通 過しただけで、クロセセリなのかオオシロモンセセリなのか判断する余裕もなかった。いずれにしても私の触手が動く種類なので残念!
 蝶が居ないなら、せめてそこに蝶が居ると想像しながら、南国の花を撮ろうと片端から撮っては見たものの“コーヒーのないクリープ”みたいでちょっと淋しい

 

ヤマトシジミ(2005.10.31 那覇

 この公園では、先週Bさんがウラナミシロチョウを撮影しているので、多少の期待をしてその場所へ行ってみたものの、そこに飛んでいたのはヤマトシジミだけだった。もっとも北海道在住のFieldは、いくらヤマトシジミが普通 種とは云え、あまり多くの写真を撮ってはいないので、こういう時にこそ撮らなければとカメラを向けた。

 

ウラナミシジミ(2005.10.31 那覇

 ヤマトシジミを追いかけているときに、もう一種別の蝶が居ることに気付いた。これもまあ、普通 種と云えば普通種だが、ヤマトシジミよりは興味が持てる。しかし、寒いんだろうね、この蝶。センダングサの花には止まっているけれど吸蜜している訳ではなさそう。北海道なら17〜18度でも、蝶は嬉々として飛んでいるところだが、同じ気温でも沖縄の蝶には活動できる気温では無いようだ。相手がじっとしていてくれるので、私は撮影し易かったけれどね。

 

アオスジアゲハ(2005.10.31 那覇

 間もなくお昼という頃、少し空が明るくなってきたような気がした。私が少し汗ばんできたのは、さんざ歩き回ったせいか?いや実際少し気温が上がってきているように感じる。
 そんな事を考えているときにアオスジアゲハが飛んだ。かなり上空だがオオゴマダラも滑空しているではないか!

 

リュキュウアサギマダラ(2005.10.31 那覇

 ここに来て、ようやくチャンスが巡ってきた。もっとも私がこの公園を出て空港に向かう予定まで、あと1時間半しかない!残った時間をどう使うのか。
 今回の撮影で、一番残念だったのが、辺戸へ行けなかったこと、そしてそこで撮る予定のツマベニチョウやアゲハ類の写 真が撮れていない。ならば、その可能性が高い場所で粘るべきだろう。この公園にはサンダンカの咲く場所がある。あそこで粘ってみよう。


シロオビアゲハ♀(2005.10.31 那覇

 その場所へ駆け足で行ってみる。シロオビアゲハの雌がフラフラと力無く飛んでいた。しかしこの花、大型の蝶には抜群の集蝶力(?)がある。ところが不思議なことにタテハやシジミが止まるところを見たことがないのだが、何故なんだろう。
 ナガサキアゲハの雄が飛んだが撮影出来ず。ツマグロヒョウモン、アオタテハモドキ、タテハモドキも飛び始めたが、川の上を行ったり来たりしているだけで、撮影は出来ない。悔しいナー!

 

ツマベニチョウ(2005.10.31 那覇

 この蝶も今回殆ど撮影出来てなかったのだが、何と目の前に止まってくれた。ファインダーを覗いて思わず、“わっ!デカイ!”と叫んでしまった。目いっぱいズームアウトしても近すぎて、どアップの写 真になってしまったが、写りは悪くなかったようだ。
 今回の撮影も、何だか尻すぼみ気味ではあったが、最後の最後で、沖縄らしい蝶の姿を見ることが出来た。思い残すことは…まあ一杯あるけれど、だだをこねて、もう一泊ということにもならないだろう。

 

ウスキシロチョウ(2005.10.31 那覇

 ギリギリまで遊ばせてもらったが、いよいよ時間が無くなった。駐車場で車に乗り込み、ハンドルを握ったときに、フロントガラスの向こうに黄色い蝶が飛んだ。カメラを掴んで、もう一度車外へ出てみたら、無紋型のウスキシロチョウだった。そして、これが今回の最後の写 真になった。
 ところで、どんな商売でも、お客さんの帰りがけの小さな気配り…これは効くもんです。分かったよ。また来るよという気にさせてくれます。じゃあね。また来年ゆっくり会いに来るからね…

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