クジャクチョウ(2005.9.17 音更町

 今日から3連休です。でも明日は雨との予報で、早くもお天気が崩れてきたのか、曇ってます。遠くへ行って降られても困るので、近くでお茶を濁しましょうと、いつもの場所へ定点観察。
 しかしねー何も飛んで無いわ!モンキチョウだけは元気!オオモンシロも元気!翅が擦れて、半透明になったヒョウモンがヨタヨタと飛んでましたね。それと識別 不能になったゼフィルス。どうもエゾミドリっぽいのですが、何とも言えません。あーあー、今シーズンもいよいよ終わりかなーと思った時に、派手な奴が目に飛び込んできた。いててて!!あ、いや、ウソですけどね。こんな大きいのが目の中には入りませんって(笑)
 まっ黄色のアワダチソウに真っ赤なクジャクチョウ。なかなか良いコントラストでないかい(北海道弁)。しかしこのクジャクチョウ、私が学生時代にはマニアの連中はこぞって“geisya”と学名で呼んでいたのだが、最近は学名で呼ぶ人が少ない。英名“peacock butterfly ”そのままの“クジャクチョウ”も決して悪くはないが、この艶やかな花魁を思わせる姿は“geisya”と呼ぶのが相応しいと今でも私は思っている。私の学生時代は、このクジャクチョウだけではなく“オレは通 だぞ”と言わんばかりに、皆が好んで、どの蝶も学名で呼んでいた。しかし、今では知ったか振りっぽくて逆に学名で呼ぶのが気恥ずかしい気がしないでもない。これも時代の流れなのかと、オッサン
は思うのである。でもね時代がどうだろうとやっぱこいつは、私にとってはいつまでも“geisya”なんだ!と頑固親父のFieldは主張するのである。

 

ヒメアカタテハ(2005.9.17 音更町

 ピンシャンの元気な“geisya”が撮れたところで、後はもう何も居そうになかったので、帰途に着いた。途中、何だか気になる場所があって、車を脇道に乗り入れてみたら、そこは畑だった。何も居そうになかったが、ぐるっと見渡すと、畑の縁にポチッと赤いのが見えた。近づいてみたらヒメアカタテハだった。
 “ヒメ”とつく蝶が居れば、殆どの場合“ヒメ”のつかない蝶が居る。ヒメギフチョウにはギフチョウ。ヒメキマダラヒカゲにはキマダラヒカゲ。ヒメウスバシロチョウにはウスバシロチョウ……ただ、ヒメシジミとヒメシロチョウには相棒が居ないようである。そしてこのヒメアカタテハにはアカタテハが居る。

 両種とも生息地は世界を股に掛けている。今年イタリアでアカタテハを撮影したが、このヒメアカタテハは、そのアカタテハより生息範囲が広いそうだ。タテハ類は飛翔力が強い。しかもこのヒメアカタテハは世界中にはびこっているキク科(例えばヨモギ類など)を食草としてる。そんな理由がこのヒメアカタテハの生息域の広さの秘密なのだろう。しかし、この蝶には欠点があって、寒さに弱い。アカタテハは何とか北海道で越冬できるが、ヒメアカタテハは越冬できないのである。このヒメアカタテハ、これから南へ向かって移動するのか、このままこの地で生涯を終えるのか、私には分からないが、来年もこの北海道でその姿を見ることが出来ることだけは確かだ。


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