第1章 初めての海外旅行

1.プロローグ

 実は私、このトシになるまで、海外旅行の経験は一度もない。そんなことを言うと意外と皆さん 驚かれる。蝶の姿を求めて国内を飛び回っている私を知っている方は、なおさら驚かれる。当然国外にも…と思われているようなのである。
 ところが、私は国内の蝶の写 真を全てを自分のカメラでとの野望を持っているものだから、時間とお金に多少の余裕がある時には、国外には目もくれず、国内の蝶の産地を物色することになる。

 ところがこの度は、スイス・イタリアの旅に出ることになった。蝶が目的の海外なら東南アジアか南米あたりを訪れるのだろうが、今回の旅は目的がちょっと違うのである。もっとも私のホームページをご愛読の皆さんにはとっくに想像がついていると思うのだが…そう、あの自転車に乗った酔狂がゴールしたからなのである。彼等が日本滞在中に、迂闊にも“ゴール(世界一周が完結)したら、お祝いに行くよ”と約束をしていたのだが、ついに“ゴールしましたと”メールが届いた。

 ムムッ、ヤバイ!お祝いに…と言ったからには“では、来年の…”と言う訳にもいかず、一瞬途方に暮れた。しかし、カレンダーと睨めっこをして思わずニンマリ!これはもしかして、行けるかも!今年のゴールデン・ウィークはあまりにも好都合に出来ている。これを逃す手は無いぞ!!

 早速日本旅行に勤めている私の友人H.T.君にコンタクトをとってみた。彼はヨーロッパ渡航歴200回を超えるヨーロッパ通 なのである。 もっとも今年のゴールデンウィークは、海外脱出が40万人を超えるとかで、格安チケット…と云うわけにはいかないが、何とかチケットは確保してもらうことが出来た。(実際には日本から海外脱出が60万人、成田からだけでも45万人だったと後で聞いた)ルートはJALでミラノ(イタリア)直行、その後列車でスイスへと決まった。

 

2.準 備

 さて、いざ出かけるとなるとそれに伴い絶対に必要なものがパスポート。
 
ネット(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_2.html)で調べてみたら、有効期間5年と10年があるとか。何?5年で¥10,000!10年で¥15,000!おいおいちょと高くないか?何でだろ?文句を言っても仕方ないのは分かっているが、釈然としない。次回使うアテが有るのか無いのかワカランけど、希望的観測を込めて10年のを取得。

 次に、これは必要かどうか疑問ではあるけれど、国際運転免許も取っておこうかなぁと、これまたネット(http://www.police.pref.saitama.lg.jp/kenkei/menkyo/kokugai/kokugai.html)で調べたら、ん?イタリアは良いけれど、スイスは該当しない?!でも、ジュネーブ協定に基づく…と書いて有る。ジュネーブってスイスだよね?とにかく¥2,650なら取っておいても良いかぁ。で取得の際に係官に聞いてみた。“これって、ジュネーブ協定締結国で有効なんですよね?”“はい、そうです”“じゃ、スイスは締結国ではないようですがどうなんです?使えますか?”“ちょっと待って下さい。”奥に引っ込んだまま出てこない。ようやく窓口に戻ってきた係官“使えるとは思うのですが、現地で確認して下さい”と心許ない返事。(後に、黙認という形で使用可能のようだと分かる)


何とも安っぽい免許証だこと…(下のサインは発給者のものか?)

 そして心配なのはお金。成田で換金が手っとり早いのだが、出国40万人と聞いては、予め用意しておいた方が良さそうだ。ヨーロッパは当然ユーロと思いきや、スイスはスイス・フランなんだと!しかっしスイスって国は永世中立国だかなんだかシランけど、変な国だよなー全く!結局ユーロは地元銀行でも、郵便局でも手に入るのだが、スイス・フランは取り寄せてもらった。(どちらも派手な色彩 で、まるで“子供銀行券”みたいな感じ!)後はVISAカードも持ってるし何とかなるだろう。

 もう一つ、今回の旅のために用意したものが広角レンズ。普段、蝶だ野草だ野鳥だと望遠・マクロ系のレンズしか使わない私なので、景色を撮るための広角レンズの持ち合わせがなかった。スイス行くならやっぱ必要でしょうと、19mmを一本用意した。これで準備万端!!

 おっと、もう一つありました。電源プラグのアダプターが必要だわ!パソとデジカメ持参の私には電源の充電に欠かせない。旅行会社に行くと、これだけあれば世界中どこでも大丈夫というセットがあったが、行かない国の分まで買う気にはなれなかった。そこで旅行グッズレンタル会社を覗くとバラ売りがあった。で、どのタイプが必要か調べてもらったのだが、驚いたことに国によってこのタイプと決まってはいないらしいのだ。イタリアで3タイプ(B・Cと呼ばれるタイプと日本と共通 のタイプ)が使用されていて、スイスでも3タイプ(B・C・Se)が使用されているらしいので、結局3つ買う必要があった。レンタルも有るとのことだが、返しに来るのも億劫だ。どうしようか思案していたら中古の販売もやっていて、1ヶ¥250だと。ヨシ、それ貰った!


結局スイスではCタイプ、イタリアではBタイプを使用した。
イタリア〜スイスの列車の洗面台では、日本国内と同じタイプが使用可能だった。

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