セセリチョウ科 (Hesperiidae)

ご注意:ここには学術的なことは一切書かれておりません。Fieldの蝶に関する思い出や印象のみが綴られております。 お暇な方だけ、どうぞお読み下さい。

■チャマダラセセリ
 早春の山道でよく出会うのは、このチョウとミヤマセセリである。チャマダラセセリの幼虫は、イチゴ類などの葉を2つに折って巣を作る習性があるので容易に見つけられる。北海道から四国まで分布するのだが、産地が飛び飛びで、不思議なチョウである。

■ヒメチャマダラセセリ
 北海道内5種類の天然記念物の内の一種。この蝶の唯一の産地アポイには、まだ小学生の息子と、夏に一緒に登ったことがあった。その時、監視員の方が、息子が肩に下げていた虫かごを見て説教を始めた。曰く、この山には天然記念物の蝶が居て、虫かごを持って登るのはけしかんと言うのだ。確かにこの蝶は天然記念物で採集は禁止されているが、8月に飛んでいる訳はない。しかも、他の昆虫は採集禁止にはなっていないのに、虫かごを見ただけで説教を始めた無知な監視員に腹を立て、二度とこの山には登るまいと思っていた。しかし2006年5月、蝶仲間と共に楽しく撮影が出来たことで、アポイ岳に対する印象が少し変わった。

■ミヤマセセリ
 早春のカシワ林を歩くとまず間違いなくこのチョウと出会える。そして林のやや開けた場所の黄色い花にはチャマダラセセリがいる。長い冬が終わり、やっと訪れた春を実感させてくれるチョウの1つなのだ。種名montanusはラテン語の“山の”で和名ミヤマ“深山”と一致する。
 雪間なる大樹の陰のせせりてふ(深谷雄大) という句があるのだが、“大樹”はカシワ。“せせりてふ”はこのミヤマセセリと想像しているのだが、いかがなものだろう?

■ダイミョウセセリ
 北海道では道南のごく一部に生息地があるのみで、私もまだ北海道産にはお目にかかったことがない。この写 真は宮城県産であるが、見間違うような近似種はない。関西産のダイミョウセセリは後翅にも白帯があるそうだ。属名“Daimio”で大名のことであるが、由来はわからない。

■コウトウシロシタセセリ

未見


■キバネセセリ
 セセリチョウはどうも蛾のようなイメージで評判があまり芳しくない。しかし、よく見ると目がキョトンとした感じで愛嬌があり可愛いと思う。このキバネセセリは、セセリチョウの中では大型の部類である。採集すると高速で羽ばたき、隣粉が落ちてしまいそうで困ってしまう。♀の前翅表には薄黄色い模様があるので容易に♂♀の区別 がつく。

■アオバセセリ
 東京在住中に2度ほどこの蝶に出会う機会があった。撮影は出来なかったが数頭採集することが出来、標本にしたのだが、展翅中に何とゴキブリに食われると言いう苦い経験をした。その後青葉城のある宮城県でこの蝶の撮影を試みたが、高速で飛び回る姿を目撃しただけで終わってしまった。結局この蝶の初撮影は2006年4月の台湾であった。喜んで良いはずなのだが、折角台湾に来ているのなら、タイワンアオバセセリの方が良かったのにと、贅沢なことを思ったFieldであった。

■タイワンアオバセセリ
  未見

■オキナワビロウドセセリ

未見


■テツイロビロウドセセリ
未見

■バナナセセリ
 2003年10月 沖縄を訪れた時に、目の前にボトッと音をたてて止まった大きな蛾が居た。しかし良く見ると、どうもセセリチョウの類だと気付きカメラを構えたが、撮影には到らなかった。近くにバナナの木があったので調べてみたら、幼虫が居て、あれがバナナセセリだったのだと気付いた。2005年10月沖縄を再訪したときにこの蝶と再会した。あの時と同じように暗い場所に止まったので、ストロボをつけたら、発光する度に身震いをした。とにかく強い光が苦手な蝶のようだ。

■ギンイチモンジセセリ
 羽の表は一様に黒褐色であるが、後翅裏にはご覧のとおり白銀の一本線がある。セセリの中では飛び方がおだやかで、かつては河川敷でよく見かけたのだが、徐々に生息数は減っているように感じる。飛翔力が弱そうなだけに環境の変化には弱いタイプかも知れない。

■タカネキマダラセセリ
未見

■カラフトタカネキマダラセセリ
  日高地方から道東にかけてのみ分布するが、本州にはタカネキマダラセセリ(高山蝶)という近似種が生息している。エゾシロチョウと、ミヤマシロチョウの関係によく似ているところがおもしろい。また、このチョウは幼虫で越冬するのだが、冬眠からさめた幼虫は、食草を食べることなく蛹になると言われている。なぜ蛹になってから越冬しないのだろう?

■ホシチャバネセセリ
 1982年5月 大学同期のTと神奈川県にある二子山に登った時、このホシチャバネと出会った。山頂付近でお弁当を広げ、地図で帰りのルートを確認してから下山…ところがどうも道に迷ったらしい。もう一度地図で確認と思ったら、今度は地図がない。沢沿いに歩けば民家があるだろうと、膝から下を濡らしながら沢下り。ようやく民家の灯りが見えた頃にはとっぷりと日が暮れていた。

■コチャバネセセリ
 夏になると北海道のどこへ行っても見かけるセセリチョウである。少なくても十勝地方では最も多く見かける種類ではないだろうか。しかも極めて活発に飛び回るので、なかなか写 真に撮る気にならない。動物のふんなどに集団で群がっていることがよくある。

■ホソバセセリ
未見

■スジグロチャバネセセリ
 北海道では道南と富良野市にしか記録がない。初めてこの蝶と道南の八雲町近くで出会った時、自動車が故障してしまい、帰宅予定が1日延びてしまった。この蝶を見ると、休日にもかかわらず、部品を取り寄せて修理して下さった自動車工場の方の親切が思い出される。

■へリグロチャバネセセリ
  北海道産の蝶で、未撮影種が数種になったときに、この蝶の名前が浮上した。後輩のN君宅に寄った時にその話をしたら、気前良く産地を教えてくれて、何とか撮影に到った。かつて彼のことを“蝶弟子2号”と言っていたが、Fieldの弟子の中でも最も熱心な一人で、とうに師匠を超えたようである。

■ヒメキマダラセセリ

 東京在住中に、近県で幾度も目にはしたいたのですが、未撮影。


■コキマダラセセリ
 十勝地方ではコチャバネセセリの次に多く見かけるセセリチョウである。年1回の発生という割には長い期間見かけるので、発生期間にバラつきがあるのか、又は長生きしているのか分からない。幼虫はススキなどの葉の付け根に簡単な巣を作ったり、エノコログサなどの葉を葉脈に沿って2つ折りにし、5ヶ所ほど糸でつづった巣を作る。私の飼育した記録では1998年8月5日孵化した幼虫が同年11月30日羽化したことがある。

■アサヒナキマダラセセリ
  未見

■アカセセリ
  未見

■キマダラセセリ
 十勝に生息する蝶のリストにこの蝶の名があるが、未だに十勝では出会ったことがなかった。いや十勝だけではなく、北海道内で見たことがなかったが、2005年ようやく出会うことが出来た。

■ネッタイアカセセリ
  未見

■クロセセリ
 2003年10月 沖縄本島の比地大滝キャンプ場での出会いが最初。セセリは紛らわしいのが多く、なかなか同定が難しいが、クロセセリは初見でそれとすぐに分かった。標本にすると両方の前翅の先端が猫の耳のようで、妙に可愛らしいと感じているのだが…。

■オオシロモンセセリ
 

 2001年春、沖縄本島の南部、知念半島を20kmほど歩いたところで、目の前を黒地に大きな白い紋の蝶が高速で飛んだ。必死に追いかけたが、足がもつれて追いつかなかった。おそらくあれがオオシロモンセセリなんだと思っているのだが、確かめる術はなく、沖縄に行く度にそのシーンを思い出すのだが、その後この蝶との出会いは未だ無い。


■オオチャバネセセリ
 阿寒付近でキャンプをした時のことである。さほど大きくない川の岸にテントを張った。川は白濁したような水が流れていたが、小さな滝があって、そのロケーションが気に入ってその川の岸を野営地に決めたのだった。時季はお盆を少し過ぎていたように記憶している。 翌朝、キャンプをしたときの常で、早々に目が覚め、釣り糸を垂れるも、アタリは全くなし。魚を諦めてテント近くの川岸に腰を下ろして川の流れを見つめていたら、目前の濃紫色のトリカブトの花にオオチャバネセセリがとまり、忙しなく密を吸っている姿が目に入った。そのチョウが去って、数分の間もなく次のオオチャバネがやって来てまた吸密している。結局その日は午前中だけでいったい何頭のオオチャバネが同じ花を訪れたのだろう?それはまるで次々にピットインして給油をするレーシングカーを見ているようだった。

■ミヤマチャバネセセリ
 1975年5月、上養沢で出会ったのが最初であるが、その後撮影チャンスに恵まれず。2006年9月まで、何と31年もお預けを喰らった。それ程希少種とは思ってないのだが、まあそういうこともありますという例だろう。

■チャバネセセリ
 この写真の同定が出来ずにFさんにお願いしたところ“チャバネセセリでしょう”ということで落ち着いた。関東以南八重山まで生息するとのことだが、Fieldはまだ沖縄県でしか出会ったことがない。

■トガリチャバネセセリ
  整理中

■オガサワラセセリ
  未見

■イチモンジセセリ
 本州ではよく見かけるこのチョウも、北海道では、道南でほぼ毎年見られるようであるが、目撃例が秋に集中しているので土着とは考えにくく、毎年本州から渡って来ているようだ。1999年(10月9日)例年になく暑い夏で帯広市にも出現した。イチモンジというのは後翅の4つの白点が一直線に並ぶことから付いた名前で、他のセセリにもこの白点はあるのだが、どの種も奇麗には並んでいない。

■ヒメイチモンジセセリ
  未見

■ユウレイセセリ
  整理中

■クロボシセセリ
 2001年の沖縄本島での出会いが最初。翌年八重山でお目にかかったので、沖縄では普通 種かと思ったらそうでもなさそうである。たまたま本島と石垣島が確実な生息地で、西表島ではあまり記録がなく、周辺の島でも希のようで、私が由布島で撮影したこの写 真は、もしかして貴重な写真かも知れない。