テングチョウ科 (Libytheidae)

ご注意:ここには学術的なことは一切書かれておりません。Fieldの蝶に関する思い出や印象のみが綴られております。 お暇な方だけ、どうぞお読み下さい。

■テングチョウ
 北海道にいることにはなっているのだが、残念ながら私は道内でこの蝶と出会ったことがない。過去に日高、夕張、札幌、道南での記録があるようだが、もう絶滅してしまったと考えて良いだろう。北海道でよく見かけるイカリモンガという蛾と、色調や大きさが似ているので、何度かドキッとさせられたことがある。またこの蝶は、日本では一属一種だ。(テングチョウ科にはこのテングチョウしかいません)
 左の写真は、 私が東京に住んでいた頃、奥多摩にバイクで出かけ撮影したものだが、ちなみに私の赤いバイクとヘルメットには、このテングチョウのシルエットを描いてある。

マダラチョウ科 (Danaidae)

■カバマダラ
 アゲハチョウ科の中でも、その象徴のような尾状突起もなく、しかも隣粉がほんど無いような半透明な翅。マニアの間ではこの種類とヒメウスバシロチョウ、そしてウスバキチョウの3種を学名のパルナシウスという名で呼ぶ。そしてその3種とも十勝には生息している。どうしてこの種類がアゲハチョウ科なんだろう?別 の科を設けても十分納得いくのではないだろうか…と思うのは私だけでしょうか。そしてやっかいなことに、この種とウスバシロチョウとの区別 は以外に難しく注意が必要である。
■スジグロカバマダラ

 2002年の春、ツアーで西表島へ行った。石垣島に戻る時刻になったが、どうしてももう少し西表に残りたいと船長にだだをこねてみた。すると“最終便の出る○○時までに戻って下さいよ”との有り難い返事。それから最終便の出るまでの間、アオタテハモドキ・タテハモドキの撮影が出来たが、カバマダラとスジグロカバマダラは満足な写 真が撮れず悔しい思いをした。
 
2年後の秋、石垣島を再訪したときに、ようやく両種の満足できる写 真が撮れた。それにしても皆さん、この蝶どこかで見たような気がしませんでしょうか?ヒントを書きますか?ジャポニカ学習帳…これでお分かりかな?(笑)

■オオゴマダラ
 とにかく、でかいのがフワァフワァ〜っと夢見ごこちに飛んでいて、正に南国だなぁーと思わせる蝶だ。白っぽいからよけいにでかく見える。赤い色に顕著に反応するらしく帽子でも何でも赤ければ寄ってくるらしい。還暦を迎えた折りには沖縄旅行へ赤いファッションで出かけよう。
■リユウキュウアサギマダラ
 アサギマダラより少し小ぶりな感じのマダラチョウである。模様もアサギマダラより精細である。翅の模様が似た感じの種類が数種存在して識別 が厄介に思っていたが、落ち着いて比較すれば迷うことはない。
 この蝶との最初の出会いは多摩動物園の温室の中だったと思う。それから21年後の石垣島で、ようやくリュウキュウアサギマダラの野外での撮影が出来た。
■アサギマダラ
 北海道では道南を除き、極めて希な迷蝶。十勝でも数年に一度のペースで目撃されている。1967年8月に富士山富士宮口2合目付近で、ヒヨドリバナにこの蝶を見つけた。ノイバラの棘が足に刺さるのにもかかわらず、そっと近づいたが逃げられてしまった。その時のアサギマダラは垂直に、高く高く飛んだ。私は、蝶が見えなくなるまで青い空をうらめしく見つめていた。それがこの蝶との最初の出会いだった。
 あれから36年後、初めて沖縄でこの蝶の撮影が出来た。 そして2004年6月北海道の中札内村でこの蝶を発見。更に同年9月、同地にて6月に発見した個体の子孫と思われる個体の撮影に成功した。
■ツマムラサキマダラ
 2001年春に沖縄本島を訪れた際、観光で龍泉洞へ行った。それまで天気がパッとしなかったのでバス観光をしていたのだが、急に天気が回復したので、ツアーコンダクターに離団書を提出して単独行動となった。「ここから歩くのも良いけれど、バスターミナルまで20kmはありますよ」沖縄バスの運転手さんの言葉も、何の意味も持たない。
 イザ!と歩き出してすぐに出くわしたのがこの蝶だった。当然顔は綻びっぱなし…。ところでこの蝶は何?図鑑で見たことがあるような、無いような… 後日愛用の図鑑を見たのだが、記載無し!慌てて新しく求めた図鑑に迷蝶としてわずかな記載があっただけ。この写 真を見る度にあの時の興奮が蘇るのである。