ウラキンシジミ


ウラキンシジミ
Ussuriana stygiana Butler
(シジミチョウ科)


                                 撮影/2001.8.12 中札内村 

●分 布:北海道(南部太平洋側)、本州・九州、四国
●成虫の発生:年1回7月上旬〜8月下旬
●越冬態:卵     ● 食 草:コバノトネリコ(アオダモ)ヤチダモ

 この蝶に初めて出会ったのは30年も前のことで、登別 の熊牧場だった。蝶の採集など頭になかったのだが、牧場でヒグマを見ているときに不意に目の前に現れた。帽子で採りはしたのだが標本に出来る代物ではなかった。そして、それ以降この蝶と出会うことはなかった。
 その後大学時代に登別を訪れるチャンスがあったので、ロープウェイで山頂に登り、歩いて下りる計画を立てた。もっともその山は歩いて登り下りする人などいない観光の山だったので、念のため登山口のロープウェイ駅の駅長さんに訳をお話しした。腕を怪我しているらしく包帯で腕をつっていた駅長さんは、「分かりました」と言ったと思ったら、「どうぞ」と私をロープウェイに招き入れ、一緒に山頂駅まで同行して下さった。「あのぉー、搭乗料金は?」という私にニコッと笑い「結構です。どうぞお気を付けて」そう駅長さんは仰り、下りのロープウエイに乗り込まれた。
 結局その日は、数種のゼフィルスを目撃したが、ウラキンシジミに出会うことはなかった。帰り際に、既にお戻りの駅長さんにお礼を告げ登別 を後にした。 以後このチョウには日高の幌満、知床の薫別で出会うチャンスに恵まれたが、その度にあの駅長さんの親切が思い出される。

近似種との区別