シジミチョウ科 (lycaenidae)

ご注意:ここには学術的なことは一切書かれておりません。Fieldの蝶に関する思い出や印象のみが綴られております。 お暇な方だけ、どうぞお読み下さい。
■ムラサキシジミ
 昭和57年の夏に千葉県鴨川の近くへ、ルーミスシジミを採集に出かけた。川沿いのウラジロガシの枝を、川の中から長い柄のネットで叩き、飛び立ったところをキャッチするという採集方法だ。濡れるのも気にせずザブザブと川に入り、ロクに足下も見ずにウラジロガシを探しながら歩いていて、ふと気が付くと足下には無数のシマヘビが浮かんでいた。もう蝶どころではなく、顔面 蒼白で岸に這い上がり、どうしようと途方に暮れていたときに、私の目の前に止まったのがこの蝶との初めての出会いだった。ルーミスよりやや大型のその蝶の紫色に眼を奪われ、シャッターを切っていると林道を下りてくる白いワゴン車が近寄ってきた。 (下へ続く)
■ルーミスシジミ
 運転席には労務者さながら頭にタオルを巻いた人、さらに後部座席には家族と思われる人影が4人ほど見えた。私は邪魔にならぬ よう林道の端に立って、その車をやり過ごそうとしたその時、眼を疑った!埼玉 在住の祖谷氏じゃありませんか。彼とは仕事上のつき合いで、互いに顔見知り程度だったのだが、更に彼の言葉に驚かされた。ネットを持って立っている私に向かって「へーあんたも蝶やってたんだ。」彼も家族連れでキャンプがてら、ルーミスシジミを採りに来ていたとの事。以来親交が深まり、彼が家族連れで北海道の我が家に宿泊したり、私の息子が受験で上京したときにはお世話になったりと今でもお付き合いが続いている。
■ムラサキツバメ
未見
■ウラゴマダラシジミ
 この蝶との出会いは、やはり蝶好きの友達(弟子1号)といっしょに、父がトムラウシへ連れていってくれたときでした。少し雨模様でしたが、気温は高く、林道の傍らに車を止めてもらったところへ、ふわふわと白っぽい蝶が舞い降りてきてネットインしたのがこの蝶で、初めて見るこの蝶の美しさに感動しました。それにしても、この蝶のネーミングにセンスがないと思うのは私だけでしょうか?もっとふさわしい名前にしてほしかったと思うのですが…
■ウラキンシジミ
 この蝶に初めて出会ったのは私が中学生の時のことで、登別 の熊牧場だった。蝶の採集など頭になかったのだが、牧場でヒグマを見ているときに不意に目の前に現れた。帽子で採りはしたのだが標本に出来る代物ではなかった。そして、それ以降この蝶と出会うことはなかった。
 その後大学時代に登別を訪れるチャンスがあったので、ロープウェイで山頂に登り、歩いて下りる計画を立てた。もっともその山は歩いて登り下りする人などいない観光の山だったので、念のため登山口のロープウェイ駅の駅長さんに訳をお話しした。腕を怪我しているらしく包帯で腕をつっていた駅長さんは、「分かりました」と言ったと思ったら、「どうぞ」と私をロープウェイに招き入れ、一緒に山頂駅まで同行して下さった。「あのぉー、搭乗料金は?」という私にニコッと笑い「結構です。どうぞお気を付けて」そう駅長さんは仰り、下りのロープウエイに乗り込まれた。  結局その日は、数種のゼフィルスを目撃したが、ウラキンシジミに出会うことはなかった。帰り際に、既にお戻りの駅長さんにお礼を告げ登別 を後にした。 以後このチョウには日高の幌満、知床の薫別で出会うチャンスに恵まれたが、その度にあの駅長さんの親切が思い出される。
■チョウセンアカシジミ
■ムモンアカシジミ
 私の住む十勝地方では年に1度見るか見ないかという程度。しかも発見しても高い樹上を舞う姿を見るだけで、撮影にはなかなか到らなかった。道南で多産地を発見し、毎年通 ったが、高所を数十頭の単位で舞う姿を、指をくわえ眺めるだけの年が続いていた。しかし、発生時期から一月もたった、しかも気温の上がらない日に多数の吸蜜シーンを目撃することが出来ようやく皆さんにご紹介できることになった。
■アカシジミ
 アカシジミというよりオレンジシジミという色である。全道に分布するが道東ではあまり多くはない。もっとも一ヶ所に多数の個体が発生することはあまり無いようである。活発な縄張り行動もなく、大人しい蝶との印象が強い。  近年、アカシジミはキタアカシジミ、ミナミアカシジミ、ナミアカシジミ等と細分されているようですが、個人的には同種で良いんじゃないかと思っています。
■ウラナミアカシジミ
 1973年、諏訪を訪れた友人U氏がこの蝶の三角紙標本をお土産にくれた。ヨダレが出るほど羨ましく思った。実際に私がこの蝶に出会えたのは、それから8年後の1981年やはり諏訪であった。本州在住中は、さほど珍しい蝶という印象はなかったのだが、その後この蝶の撮影機会がなく、2003年恵庭市でようやくその機会を得た。普通 、蝶の模様は翅脈に沿って黒い線が発達し、その他の部分が淡色というのが相場だが、この蝶の場合、全く逆の配色な為、私としては奇異な印象を持っている。
■ウラクロシジミ
未見
■ダイセンシジミ(ウラミスジシジミ)

 属名Wagimoは日本の古語“吾妹(わぎも)”で妻または愛人のこと。種名signataはラテン語で“斑紋のある”の意。斑紋は羽の裏面 の白線を指し、白線がきれいに並んでいるものをquercivola(ケルキボラ)型といい、乱れているものをsignata(シグナータ)型という(上の写 真はシグナータ型)。
  個体数が少なく、なかなか姿を見ることができません。この写真は、私が高校生の頃音更町の鈴蘭公園へジョウザンミドリシジミを撮りに出かけた時に、カシワ林の下に広がるササの上に静止していたものを撮影したものです。思いもかけずに貴重な写 真が撮れて心臓がドキドキしたのを思い出します。翅の裏面の白い帯の個体変化がおもしろく、また、前翅表面 の青紫色が美しい蝶です。

■オナガシジミ
 属名Araragiは日本の古語“あららぎ”。  以前、帯広近郊には少ない種類かと思っていたが、オニグルミの木に、たくさんの個体が群れて飛ぶ姿を見てからは認識が変わった。それは、ゼフィルスとしてはかなり遅い時期に発生すること、活動が夕方であること、オニグルミの木からあまり遠くへ離れることがないことなどから、たまたまこの蝶に出会うチャンスがなかっただけのようです。
■ミズイロオナガシジミ
 やや暗い林の中で、木の葉の上や下草に静止している姿を見かけますが、花を訪れたり、活発に飛び回ったりする姿はあまり見かけません。裏面 の模様は個体差が激しく、黒い帯の幅は別種かと思えるほど広いものがいます。図鑑等によれば帯の細いものが標準形のようですが、子どもの頃、この帯の幅の広いものばかりが採れ、不思議に思ったことがあります。私の知る限り、帯広市の近郊では帯の広いもののほうが多く生息しているように思えます。

■ウスイロオナガシジミ

 帯広市近郊では少ない種類で、カシワ林などで、葉の上に静止している姿を見かけますが、花を訪れたり、活発に飛び回ったりする姿はほとんど見かけません。同族のミズイロオナガシジミ・オナガシジミとは羽の表面 だけでは区別がつきにくいのですが、裏面はそれぞれに特徴があり、間違うことはありません。
■ミドリシジミ
 ハンノキが群生している場所では比較的多く見られます。幼虫は食樹の葉の一部を折り曲げ簡単な巣を作るので、簡単に見つけることができます。蛹は食樹の根本の落ち葉などに簡単に吐糸して固定されているのを観察しました。  数年前から、ヤシャブシの木にミドリシジミが群れているのを見て、おそらく植樹になっていると想像していたが、2000年6月、ヤシャブシの木にミドリシジミの幼虫を発見し、確信するに至った。ヤシャブシは葉の形がやや幅のある針形で、しかもハンノキに比べて厚みがあるので、葉の一部を折り曲げて巣を形成することが難しい反面 、ハンノキより葉が密生するので、2枚の葉の間に巣を作るようだ。
■アイノミドリシジミ
 成虫雄は表面に緑色の強い金属光沢を持つ。あまり棲息数も多くはなく、また低い位 置に降りてくることも少ないので、観察することが難しい。 主な活動時間は早朝〜10時と言われている。
■メスアカミドリシジミ
 属名Chrysozephyrusはラテン語で“金色の西風”種名smaragdinusは“エメラルド”の意。羽の表面 はミドリシジミやアイノミドリシジミより黄色味を帯びた金緑色で特徴的なのは、メスの前翅表に大きなオレンジ色の紋があることで和名はそれにちなんでいます。オスは昼間、樹上で活発に飛翔するのですが、メスはめったに見かける事が出来ず、なかなか生態写 真を撮らせてくれません。
■ヒサマツミドリシジミ
未撮影
■キリシマミドリシジミ
未撮影
■クロミドリシジミ
未見
■オオミドリシジミ
 ミドリシジミの仲間では一番大型で、翅の表面の緑光沢が他の種類よりやや弱い、翅の表面 の色が他の種類より白っぽい等の特徴があり。特に北海道産は純白に近く、神々しささえ感じます。
■エゾミドリシジミ
 エゾと名が付く割には北海道から九州まで産する。しかも、特に北海道に多いという種でも無さそうで、最初に出会った1970年以降も、時々しかお目にかかれず、ましてや写 真などずっと撮れぬまま、北海道在住の私にはプライドを傷つけられたままの日々が続いていた。■■
■ジョウザンミドリシジミ
 オスは早朝から梢の先で活発に占有活動をくり返し、2〜3頭がもつれるように飛んでいる。帯広近郊では、ミドリシジミの中では最も数が多い。
■ハヤシミドリシジミ
 同定の難しい蝶は何組かあるのだが、ミドリシジミの仲間もその一つだと思う。特にジョウザンミドリとハヤシミドリ、エゾミドリはややこしい。こうして思いきりアップで裏面 が撮影できれば良いのだが、開翅シーンなどはいくら撮っても分からない物は分からない。私の場合その蝶の特徴が写 っているか、もしくは撮影後ネットで捕獲して確認できた物しか掲載しないようにしてはいるのだが、同定できずに今まで一体何枚の写 真がお蔵入りしたことだろう。
■ヒロオビミドリシジミ
未見
■ウラジロミドリシジミ
 ミドリシジミの中では最も小さく、また尾状突起が極端に短い・翅の裏面 の模様が他のミドリシジミと異なる等の点で、用意に区別が付く。北海道では必ずしも珍しい種類ではないが、本州以南では希な種のようである。翅表の光沢は緑〜紫色を帯びる。♂の主な占有行動は夕刻。
■フジミドリシジミ
未見

■カラスシジミ

 種名w-albunは羽裏面の白い線がWに見えることから…。羽の裏・表共に茶褐色で、デザイン的には今一つ面 白味がないが、新鮮な個体の後翅裏面の茶褐色とオレンジの配色は悪くない。活発ですばしこい蝶ですが、セリ科の白い花や、イタドリ等多くの花を訪れてくれるので、シャッターチャンスには困りません。
■ベニモンカラスシジミ
未見

■ミヤマカラスシジミ

 2006年、富士山のすそ野で初撮影。しかし、破れ傘状態でお見せ出来る写 真ではなかった。しかし、その翌年。まさかの北海道内で再会することとなった。
 これは函館出身のsennseのサポートが無ければ望めなかった事。多くの友人・仲間に助けられなければ、こんなに多くの蝶達との出会いは無かったと思う。Thank you so much !

■リンゴシジミ(スモモシジミ)
 種名pruniは食草の属名“prunus”からきているが、和名のリンゴは、意味不明で、幼虫がリンゴの木から発見されたことはない。主な食樹はエゾノウワミズザクラで、この木は河川敷に多い。夕方この木の樹上で活発に飛翔するのを観察することが出来る。非常に残念なことに、河川敷の改修が進み、この蝶の生息域は急速に激減している。
 Fieldのホームグランドでも工事により食樹が皆伐されることが分かり、2006年10月、北海道にかけあって、270本以上のウワミズザクラを某所に移植した。2007年6月に移植先でリンゴシジミの飛翔が見られるかどうか、興味が持たれる。
■トラフシジミ
 会いたくて会える蝶ではない。年に幾度か偶然に出会うことのできる蝶なのだ。食草の限られた蝶はその食草を見つけ、その周りを観察していれば出会うチャンスはあるものだが、この蝶は食草が上記以外にもまだ多く存在しているようで、神出鬼没なのである。東京近郊ではハルジョオンに吸密に来ていたり、北海道ではオオイチモンジと一緒に吸水していたり、農家の垣根のイボタで吸密していたり、いつも思わぬ ところで出くわす。また、大抵の蝶は羽の裏面より表面の方がきれいだと思われがちなのだが、この蝶は裏面 の白とオレンジの模様がきれいで、均一に紫色の表面よりずっと魅力的である。
■イワカワシジミ
 幾度目かの沖縄撮影旅行で、比地へ行った時にセンダングサにとまる見かけない蝶と出会った。翅の色ですぐにイワカワだと分かったが思いの外翅が反射して、せっかくの緑色が表現出来なかった。その後もう一度撮影チャンスはあったのだが、そのイワカワは翅が白化していた。深い緑色の翅のイワカワを是非撮影したいと思っている。

■キマダラルリツバメ

  未見
■ゴイシシジミ
 1973年青森の叔母の家近くで初めてこの蝶と出会い、ゴイシシジミのネーミングに納得する。直後に上養沢で見かけるが、その後1989年日高で釣りの最中に出会うまで、ずっとご無沙汰だった。更にこの蝶の写 真が撮りたくて日高管内を走り回るのだが、なかなか出会うチャンスが無かった。幼虫の餌が植物ではないので、生息地が固定されることがないのが理由の一つと思われる。
■ベニシジミ
 紅(ベニ)というよりはやや黄色みのある鮮やかなオレンジ色、そして後翅裏面 のグレーとなかなかオシャレな蝶である。特に春型は色彩も濃く鮮やかであるが、夏型、秋型と黒ずんで鮮やかさが失せてしまう。どこにでも居る蝶ではあるが、普通 種であることがもったいない程魅力のある蝶だと思う。
■クロシジミ
  未撮影
■オジロシジミ
  未見
■ウラナミシジミ
 千葉県房総半島が北限であるが、越冬をせず発生を繰り返しながらその生息領域を拡大し、温暖な年にはその領域を北海道にまで広げる。そして、房総半島以北で発生したこの蝶は、全てその年の秋に死に絶えるという悲しい性を持つ蝶なのである。1974年北海道の広尾町の海岸でこの蝶を見た時には、感動のあまりただ見つめるだけだった。
 写真は石垣島を訪れた際に撮影したものだが、八重山にはウラナミシジミの仲間が多く、種を特定しないままシャッターを切っていた。後にウラナミシジミだと分かった時に“な〜んだ”と少し落胆してしまった。広尾町で出会った時にはあれほど感動したのに、自分の身勝手さには、つくづく呆れてしまう。
■アマミウラナミシジミ
  未見
■ヒメウラナミシジミ
 春と秋、2度石垣島でこの蝶と出会っている。沖縄県にはウラナミシジミの類いが数種居て紛らわしいのだが、比較的小型で、裏面 の地色が暗いこと、そして何より日本産のウラナミシジミの中で唯一尾状特記を持たないことで、他の種類とは区別 が出来る。
■ルリウラナミシジミ
 秋の石垣島でこの蝶に出会うことが出来た。長い尾状特記を持ち、表は濃いブルーの美麗種だが、残念ながら未だ開翅シーンは撮影できてない。
■シロウラナミシジミ
 2004年秋の石垣島で、一日蝶の撮影をした。夕刻になりそろそろ引き揚げようと思ったときに、道端でキラキラと青く光る蝶を見た。既に薄暗く、シャッタースピードは得られなかったが、辛うじて1枚難とか見られる写 真が撮れた。
■ヤマトシジミ
 私が東京豊島区在住中、近所の公園・空き地にたくさん飛んでいた。しかし、あまりに普通 種なために、ろくに標本も作らず、ましてや写真も撮影していなかった。
 2002年春に初めて石垣島を訪れた際に、石垣空港で真っ先に出迎えてくれたのがこの蝶であった。その年の冬一眼レフのデジカメ(Minoruta Dimage7)を手に入れ、このカメラで最初に撮影する蝶は何だろうと意気込んで出かけた石垣島だったが、結局この蝶がその栄誉に浴した。
■ハマヤマトシジミ
  未見
■ホリイコシジミ
 2017年8月に訪れた与那国島。島の周囲を車で走っても1時間はかからない。ゆっくりとスピードを落とし走っているときに、見慣れない紫色の花が目にとまった。珍しい植物には珍しい蝶が居るかも知れないと車を停めて周囲を見ているときに小さなシジミチョウを見つけた。種の特定も出来ずに写 真を撮ったのだが、後に日本最小種のホリイコシジミだと判明した。Fieldの運の良さに…ラッキー!!sw
■シルビアシジミ
 Sylviaという名前に強い興味を感じていた。命名者が日本人なのに何で?いろいろ調べていたら命名者の中原和郎博士(ガン研究所の所長)の幼くして亡くなられた娘さんの名前だと分かった。
 いつかシルビアに会いたいと、栃木県・長野県を訪れたが出会うことが出来なかった。ところが沖縄で“シルビアならここに居ますよ”と言われ、そこで見た種は過去にも幾度か沖縄で見ていた不明種のことでした。翅裏の黒点が掠れていて、同定できずにいたのです。 でも、誰が見てもシルビアだと判る写真が撮れるまで、ここへの掲載は控えていました。2017年訪れた与那国島で、ようやく黒斑が明瞭な種と出会う事が出来、ようやく掲載する気になりましたが、今では沖縄産のシルビアはヒメシルビアシジミと云う別 種の扱いになっているようです。 うーん!スジグロシロがエゾだヤマトだ…キチョウがキタだミナミだ、タイワンだと…勝手にしてよ!
■カバイロシジミ
 やや大型のシジミチョウで、羽の裏面の付け根付近のブルーが何とも言えず美しい。あまり数の多い種類ではないので、狙って採集に出かけることはしないのだが、リンゴシジミなどを採集に行くと、目の前を通 過して飛んで行く姿を見て、思わずリンゴシジミそっちのけで追いかけてしまう。
■ゴマシジミ
 雄に比して、雌が“えっ”と思うほど大きかったりする。斑紋も変化に富み面 白味のある蝶です。若・中齢幼虫はナガボノワレモコウ・ワレモコウを食草とするが、成長するとアリ(クシケアリ等)の巣に運ばれ、アリの幼虫などを食べる。産地による斑紋の変化が著しく、8つの亜種名がついている。
■オオゴマシジミ
 道南に発生地があるとの情報で、私の在住する十勝から、片道600kmの道南通 いが4年間続いた。行けば大抵はその姿を見ることが出来た。しかし、ただただ飛び回るだけで撮影チャンスがない。 そんな時に友人のN君の案内で月形のポイントを訪れ、初撮影することが出来た。これを機に、撮影チャンスは朝にありと確信し、それを証明する為、時期遅れも承知で再度乗り込んだ道南で、2006年8月ようやくその姿をファインダーで捉えることが出来た。
■オオルリシジミ
 2009年6月、長野在住のM.F.さんからクモツキ・オオルリ…の情報を頂いて飛行機に乗ったら隣の席が知り合いの歯医者さん夫婦。新幹線に乗るべく東京駅に向かったら、隣のホームには、またまたそのご夫婦がいらっしゃる。え?新潟へ行くの?私は長野ですけど…。
 クモツキはちと遠かったけど、オオルリはご覧の通り満喫できました。ありがとうM.F.さん。
■タイワンクロボシシジミ
 初めて石垣島を訪れた時。北海道はまだ4月で気温はマイナス4度、到着した石垣島の気温は28度だった。ホテルまではかなり距離があったのだが、タクシーに乗るのがもったいなくて…いや金銭のことではなく折角の石垣島を、速いスピードで走り抜けることが…重い荷物を背負って徒歩でホテルへ向かった。その途中1本の樹があり、この蝶が数頭木の葉の上に止まっていた。
 ホテルに着いて気付いたら、FieldのGパンは白く粉を吹いていた。やはりあの行為は暴挙だったかも知れない。
■ヤクシマルリシジミ
  未見
■サツマシジミ
  未撮影
■ルリシジミ
 ルリ色の美しい蝶なのだが、あまりにもどこにでもいる蝶なので、普段はあまり気にも留めない。しかし、こうして改めてこの蝶を見るとやはり「良い色」をしている。オスの瑠璃色も良いし、黒い縁取りの着いたメスの前翅の薄いブルーから濃い瑠璃色のグラデーションも捨てがたい。
■スギタニルリシジミ
 この蝶に会いたくて、1982年4月、青梅線氷川まで列車に乗り、1時間ほどバスに揺られて小菅村というところまで当時4才半の娘と出掛けた。 バス停からポイントまで思いの外遠く、娘の手を引いたりオンブしたり肩車したり…その甲斐あって、沢山のスギタニルリシジミに会うことが出来た。バス停まで戻ると、何か記憶にある香りが漂っていた。誘われて香りを辿ると、そこにジンチョウゲが白い花を咲かせていた。  その年の夏、私は東京を離れ北海道に戻ったのだった。
■オガサワラシジミ
  未見
■カラフトルリシジミ
 北海道の高山帯にのみ生息する天然記念物の蝶。天気が良ければちょこまかと飛び回るのですが、日が陰るとどこかに隠れてしまいます。また、和名にルリシジミと付きますが、ヒメシジミ族に属します。
■ジョウザンシジミ
 和名のジョウザンは北海道の地名“定山渓”。帯広市近郊のこの蝶の最盛期は、5月末から6月上旬ですが、ちょうどこの時期は市内の小中学校の運動会の時期に当たります。我が家の子どもたちが小さい頃、運動会を無視して採集に行くことも出来ず、随分イライラしたことを思い出します。山道の崖にキリンソウを見つけると、幼虫探しをしたくなります。幼虫にはたいていアリがまとわりついているので、さほど難しくはありません。また幼虫はキリンソウの葉を噛み切って落とし、食草の根本でそれを食べる習性があります。成虫もキリンソウへの依存度が高く、崖から遠く離れた場所で見かけることはありません。
■クロツバメシジミ
 この蝶の生態写真を初めて見たのはKさんが撮ったたものだった。その後Kさんのご案内で、この蝶と出会えたのだが、その時Kさんにもご同行頂いた。Kさん自身この蝶が好きと仰っていたが、夢中になって撮影されている姿を見て、ナルホドと思った。
 ところで、このクロツバメシジミ、外見は違うのだが、雰囲気・行動、そしてベンケイソウ科の食草など、北海道のジョウザンシジミに良く似た種だとの印象を持った。
■ツバメシジミ
 どこにでもいそうな気がして、普段あまり追いかけ回すようなことはしないのだが、オスがシルバーブルーから濃いブルー、メスはオスに近いブルーのものから、暗褐色のものなど、個体差が大きく、また夏型、春型の区別 も、傾向はあるものの、判然としない状態だったりと、バリエーション豊かでおもしろい蝶です。
■タイワンツバメシジミ
  未見
■ゴイシツバメシジミ
  未見
■リユウキュウウラボシシジミ
 2005年沖縄本島を訪れたとき、沖縄在住のMさんにあちこちとご案内いただいたが、残念ながら天候には恵まれなかった。雨が上がった僅かなタイミングで訪れた草原で、とても小さな蝶と出会った。あまりの小ささにピンが合わず、それでも辛うじて2枚だけ撮影が出来たのがこの写 真だ。
■ツシマウラボシシジミ
 
■ヒメウラボシシジミ
 実は日本国内では未見・未撮影種である。台湾でこの蝶を撮影した時には種の同定が出来てなかった。後日種名が判明したのだが、参考までに掲載することにした。タイワンクロボシシジミと近縁であるがヒメウラボシが台湾で撮影出来、タイワンクロボシが沖縄で撮影できたことが、何だか皮肉に思える。
■ヒメシジミ
 デザイン的に、何となくシジミチョウの代表格のような蝶である。つまりシジミチョウらしい蝶なのだ。食草が多岐に渡るので当面 絶滅の危機はなさそうであるが、じゃあどこに行けば会える蝶かというと即答に困る。山地から平地まで普遍的にいるけれども、そんなに多産しているわけではない。7月初旬に更別 村へ行った帰り道、車を止めて一服と思ったら、道路脇にこの蝶が十数頭飛んでいて、妙に嬉しい気分にさせられた。
■ミヤマシジミ
 ヒメシジミ・アサマシジミの近縁種だが、北海道には産しない。栃木の蝶のことなら、この人…ぶちさんの案内で、この蝶と出会うことが出来た。また、その撮影会では多くの仲間が集まってくれて、楽しい撮影会となった。ミヤマシジミと会う度に、あの撮影会のことを思い出すことだろう。
■アサマシジミ(ヤリガタケシジミ/イシダシジミ)
 アサマシジミの北海道亜種をイシダシジミという。どの産地もヒメシジミと混生していて紛らわしい。かつて私の庭のごとき長流枝内でいくらでも見ることが出来た。しかし、無配慮な開発により次々とポイントが無くなり、今では確実な生息地ではなくなってしまった。また、逆にヒメシジミはその数を増やし、長流枝内でのイシダ探しは、大量 の砂の中から1粒の砂金を見つけるかのような作業になってしまった。2004年の撮影には、 往復600kmのドライブを要したが、その方が確実と判断せざるを得ない状況がとても悲しい。
■ウラギンシジミ
 翅の裏面が一様に銀白色のこの蝶は、シジミチョウ科とは別 にウラギンシジミ科として独立した扱いをすべきとの説もあるが、現在ウラギンシジミ亜科ウラギンシジミ属との説が一般 的のようだ。 この蝶との初めての出会いは、私が池袋在住中に椎名町方面へ出かけようと家を出て間もなく、近所の庭に見慣れない蝶が舞い降りてきた。特徴のある姿に「ウラギンだ」とピンと来て、慌てて家へ戻りネットを持って戻ると、まだその蝶は止まったままだった。めでたくネットインしてみると、初秋だったので前翅がまるでスポック(分かる人には分かると思いますが、例のスター トレックというドラマの宇宙人です)の耳のようにとがり面白い蝶だなぁと感心させられた。(写 真は夏型) この蝶は夏型と秋型で翅形が違う。また♂と♀で表面の色が違うなどの特徴をもっているのである。