カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの比較
Papilio dehaanii C. & R. Felder カラスアゲハ
Papilio maackii Menetries ミヤマカラスアゲハ
北海道音更町長流枝内
Jun.12.1983.  春型♂表(×1)
北海道音更町長流枝内
May.31.1987  春型♂表(×1)
北海道産 春型♂表の比較:このミヤマカラスは特に小さな個体ですが、ここまで極端な差は無いにしても、一般 的にミヤマカラスの方が小さい傾向は有ると思います。前翅の左右の縁に沿って、ミヤマカラスの方には明瞭な黄色味を帯びた白帯が見られます。後翅の金緑色は、ミヤマカラスの方が広範囲に現れますが、やや明るい緑色で、カラスアゲハの方がやや青味が強いように思います。
北海道音更町長流枝内
Jun.12.1983.  春型♂表(×1)
北海道音更町長流枝内
May.31.1987  春型♂裏(×1)
北海道産 春型♂裏の比較:ミヤマカラスアゲハの方は、前後翅ともに、白帯が明瞭です。カラスアゲハには前翅のみに現れていますが、薄く、特に上の方ではかなりぼやけた印象です。後翅弦月赤紋はミヤマカラスアゲハの方が大きく、また黄色味が強くオレンジ色に近いように思います。 一方カラスアゲハは朱赤に近い色です。
神奈川県東丹沢
Aug.8.1982 夏型♂表(×1)
長野県諏訪市
Jul.26.1981 夏型♂表(×1)
本州産 夏型♂表の比較:カラスアゲハの方がやや小さいのですが、個体差の範囲でしょう。金緑色の鱗粉の発達は、やはりミヤマカラスアゲハの方が良いようで、広範囲に見られます。
北海道上士幌町糠平
Aug. 夏型♀表(×1)
北海道音更町長流枝内
Jul.25.1985  夏型♀表(×1)
北海道産 夏型♀表の比較:このカラスアゲハは、Fieldが目撃した中でも最大級の個体ですので、大きさによる差は無いと考えて下さい。色のメリハリはミヤマカラスアゲハの方が強いようです。ミヤマカラスアゲハの前翅先端が鋭く尖っているように感じますが、カラスアゲハの方では、丸く、ヨナグニサンなどの大型の蛾に見られるように張り出していて、その下がえぐれたように凹んでいます。この傾向は夏型の♂にもあるように感じています。
北海道上士幌町糠平
Aug. 夏型♀裏(×1)
北海道音更町長流枝内
Jul.25.1985  夏型♀裏(×1)
北海道産 夏型♀裏の比較:前翅白帯は、カラスアゲハでは幅広く、特に上方で広く広がっています。後翅弦月赤紋は春型同様、カラスアゲハは赤っぽく、ミヤマカラスアゲハでは黄色味が強いようです。