アゲハとキアゲハの比較

Papilio xuthus Linnaeus アゲハ
Papilio machaon Linnaeus キアゲハ
北海道音更町木野
May.30.1970  春型♂表(×1)
北海道帯広市
May.24.1970  春型♂表(×1)
北海道産春型♂の比較:一般的にはキアゲハの方が黄色味が強く、飛翔シーンだけで有る程度の区別 は付くが、時に白っぽいキアゲハも居る。前・後翅ともに翅脈に沿う黒い線はアゲハの方が太く明瞭である。前翅基部で、キアゲハは三角形に黒く潰れていて、見謝ることはまず無い。
北海道音更町木野
May.30.1970  春型♂裏(×1)
北海道帯広市
May.24.1970  春型♂裏(×1)
…ところが、裏面になると話は少し違ってくる。キアゲハの後翅の黒い線が、表と比べて太く明瞭になり、後翅だけで区別 することは難しい。しかも前翅基部もキアゲハ特有の表の黒い三角形とは異なり、かなりぼやけている。 特に生態写真で翅の裏面を撮影したときには注意が必要で、キアゲハをアゲハと見誤るケースを幾度か目にしている。
静岡県 富士宮市
Aug.9.1970  夏型♂表(×1)
北海道帯広市
Jul.24.1970 夏型♀表(×1)
夏型では、アゲハでは黒の面積比が増す。キアゲハでもその傾向はあるが、黒の面 積比が広がると言うよりは黒い鱗粉が滲んで、黄色い部分に少し進出したという印象である。また、後翅のオレンジ斑・黒帯の中の青い鱗粉列はキアゲハの方が明瞭に現れる。

(太線は1cm間隔です)

アゲハ標本 || キアゲハ標本